■ トランプ氏、しっかりしろ。米朝会談後、3週間。

  6月12日、あのシンガポール米朝首脳会談から3週間が経ったが、いい話は聞こえて来ない。北朝鮮が非核化への実務交渉を明らかに渋り始めた。日本の拉致問題には「解決済み」で押し通そうとする。米国は8月の米韓軍事演習を含む3度の軍事演習は中止、米軍の撤退も具体的に動き始めた。韓国はもうサード(THAADミサイル防衛)も止めるという。米国は非核化費用と拉致対策で日本に5兆円負担させると言ったとか。
  米朝会談は極めて中途半端であった。完全非核化(CVID)が曖昧だったこと、トランプ氏は大胆に譲り過ぎた。金正恩委員長は中国には3度目の説明に行き、今や完全に中国の代弁者となった。中国は米国の軍事演習中止を提案させ、また朝鮮戦争の終結を遅らせようとする。このところ「中国の一人勝ち、漁夫の利」という新聞題字があちこち踊る。トランプ大統領は中国、欧州、日本とも通商、関税戦争をおこしている。イランとの核協定の離脱、制裁開始、エルサレムへの米国大使館の移転、国連人権委員会離脱や、国内でのメキシコ人流入問題・・・彼は秋の中間選挙と自らの再戦に懸命といわれており、これら米国の国内動機で世界の秩序、安全保障関係が仕切られてはたまらない。

  トランプ氏のツイッター政治、外交は続くが、他の国々は大いに戸惑い、懸念をしている。米国は今、極めて珍しいことであるが、政府(官僚)機構は未だ整備されていない、トランプ政権の主要政治ポストの数百は未だ決まっておらず、基本政策はただ上から指示待ち。大統領は人事を含めオルマイティーである、彼の言動が全てであって、誰も慎重意見や反対論を言えない、直ぐに首を切られる。

  それは遂に他国日本にも及んで来た。トランプ大統領と特段仲が良く、友人として同盟国として彼に意見し諌められるのは安倍首相であり日本であるといわれる。これまたトランプ氏の反応が読めない、上手くいかない時はダメージになり得る、大いなるリスクを賭して直言するか、我慢して寄り添うか。政治も防衛も通商も今が最も大事な時である。