■ 政治オリンピック終わる、「米朝対話」に努力せよ

  平昌オリンピックが終わった。競技も面白かったし、日本選手の活躍も事前の期待を大きく超えた。それでも北朝鮮の政治的言動は他を圧した。開会式には金正恩の実妹金与正氏が出て来て韓国文ジェイン大統領と会った。北への訪問を正式に招いた。米副大統領マイク・ペンス氏との秘密接触も予定していたがドタキャンした。閉会式には北朝鮮は軍人を送り、米国はトランプ大統領長女イヴァンカ氏が出席、米朝極秘接触は続いている模様。
      米朝は韓国、文ジェイン大統領を介して実質的に交渉局面に入ったと言っていい。北朝鮮こそが終始攻勢をかける、現場での米朝接触も主導権を握る。代表軍人は「米朝対話に十分用意がある」とさえ言い残した。一方の米国は北朝鮮の「微笑み外交」は陽動作戦と見て受け入れない、中露の洋上船舶を規制強化し、NPR(核戦略見直し)を発表し、米韓軍事演習の再開を予告する・・・

≪北朝鮮問題に本格解決はあるか ≫ 北朝鮮は非核化へのコミット(約束)は多分、絶対しない。米国は非核化へのコミットこそ対話への絶対前提とする。両者に妥協点は無い。今後競り合いは延々と続く。米国は制裁と圧力を強化する、日本は当然、圧力強化で米と同一行動をとる。

  しかし敢えて言う、例えば米は北の現状(核保有)はやむなく認めつつも完全凍結、不拡大への完璧な査察強化などがとれないか。少なくとも米朝一方の先制攻撃の可能性は、(極端な偶発事故を除けば)非常に少なくなった。日本にとっての最大の危機は武力行動があった時の潜在被害の発生とすれば、その危機は去ったといえる。米国と離れて日本独自の立場があってもいい、少なくとも米朝対話を推進することを躊躇することはない。粘り強く米国と北朝鮮の説得を務めるべし。
      実は東アジアの平和と安全にとって中国の膨張と覇権主義があることを片時も忘れてはならない。北朝鮮の脅威は大事だが、中国の持つ真の脅威は比類なく大きい。そこで米朝路線を正常化することは、実は米国を東アジアの安全保障に引き続きコミットさせておくためには必須な条件である。日米同盟も米韓同盟も、米国の東アジア関与は、朝鮮戦争のいわゆる休戦協定(1953年)に依るとされており、仮に北朝鮮問題が解決された暁(平和条約)には米軍が存続する根拠さえ失くすことになりかねない。
      日本の安全保障は、今後とも日米同盟を主軸に置きつつ、自主防衛と国際平和への主体的行動を強化することにある。オリンピックの熱戦は終わったが、本当の戦闘はこれからである。