■ 司法試験と「予備試験組」

  法曹(弁護士など)になるには司法試験の合格が必要で、この試験は今でも最難関のひとつといわれます。日本の司法制度が大きく変わったのは2000年から5、6年かけて行われた司法制度改革で、裁判員制度の導入、法科大学院の新設、司法試験制度の改革など、「100年?に一度の大改革」などといわれました。
  司法試験改革の委員会で最後まで揉めたのが、法科大学院には経済的理由などで行けないが、独学で司法試験を目指す道を残すべきか、ということで、法務省原案は原則ゼロ、仮に例外を認めても暫定的で数年内にゼロとする、というもの、全ての法学徒は法科大学院を経由すべしとの考えであった。これに異を唱え、最後まで反対したのが、実は私であって、大学院に行く余裕もなく、然し法曹たらんと情熱を燃やす人材を決して切って捨てるべきでないと演説を繰り返した。苦学しながら試験に挑み続けた自分自身と多くの同志たちのことを思っての一念であった。辛うじて「予備試験組」としてたしか「50人」だかの枠が残されたところまでは記憶している。
      毎年秋の合格発表では「予備試験組」の勢いが話題となり、私はいつもひとり、あの頃を思い出す。本当に良かったのか、悩むこともある。然し、いつの時代も、働きながらも、寝食を忘れ、懸命に目標を目指す集団があることも決して無駄ではなく、法科大学院生らと競いながらお互いを高め合うことこそ国家の未来にとって大変良いことではないか、と自分を納得させているのです。