■ 人類がAI(人工知能)に負けた日

  「その時、柯九段は対局室から離れ、別室でむせび泣いた」という。柯九段とは今囲碁では世界一と目される中国人、その彼が、Google製囲碁ソフト「アルファ碁」との世界戦で3敗と完敗した。
  識者は言う、「人間とAIの対決は区切りがついた」(王九段)。井山裕太6冠も「AI対人間の勝負は決着した」と目の前の現実を受け入れた。しかし、「人間対人間の価値が変わるものではない。人間には心理があり、極限の状態での心理の闘いには、依然と気高い価値が有る」と纏める。
  私は囲碁と将棋、両方を少しづつ嗜む。幸いにも、人類とAIの、この歴史的瞬間に立ち会うことが出来た。目の前が暗転したことも、しかしようやく井山6冠のように精神的安定を取り戻したことも。
  こういう話を聞いたことがある、人類よ泣くな、走ることだって、結局、汽車や自動車に負けたではないか、飛ぶことなど最初から飛行機に叶わない。皆んな、君たち人類が創ったもの、悦んでやれよ、と。