■ 歌手 「千 昌夫」の一代記

  テレビで歌手の千昌夫のことを観た。演歌歌手として超メジャーとなり、幾つもヒット曲を出し、われわれ世代には最も馴染みの歌手。「星影のワルツ」、「北国の春」などは国民歌謡と歌い継がれる。
  その千にもやはり下積はあった。家が貧しかった、母親を楽にさせたかった、歌で身を立てたかった。長い長い下積みであった。有名な作曲家「遠藤実」の家に押しかけ、拝み倒して内弟子に潜り込んだ。何曲貰っても、売り出せない。もうやめようと思った時のレコードB面「星影」に少し人気が出たという。「千昌夫」という名は誰も知らない、知名度ゼロ。一計を案じて彼がやったこと、色々なデパートに電話して、「千昌夫」を場内アナウンスで呼び出して貰った、列車や新幹線に電話して車内放送で呼び出して貰った。名刺やチラシを電話ボックスや電車の網棚に忘れて帰る・・・。「〇〇様、事務所に連絡して下さい」類いの場内アナウンスは昔よくあった、その名前が多勢の人混みに聞かれれば、それだけ名前が有名になるではないか。 ケータイ電話が出てくるはるか...前の話である。
  実は、私が全く同じことをしていたのです。選挙の出始めの5年くらい、金のない貧乏候補者が編み出した秘策、名前が広まるにはデパートや新幹線に電話して空の放送をして貰うのが如何にも効果的、かくして川崎駅の「さいか屋」さんや国鉄南武線に。京浜急行線や横須賀線では大きな名前入りのタスキを掛けて乗り込み、車掌から外につまみ出されたり・・・。
  遂に「星影のワルツ」が大ブレーク、レコード大賞に近づいた。千が恩師遠藤実に報告に行った時、なんと遠藤がピアノを抱きながら泣いたという・・・