■ トランプ大統領就任。論評紛紛。

  トランプ大統領が就任した。マスメディアを含む一般の評価は厳しい、非常に厳しい。余りにも異色の指導者が誕生した。トランプ氏はひたすらにアメリカ・ファースト、アメリカの雇用、アメリカの製品、不法移民を排除する・・・を連呼する 。 アメリカこそ虐げられ、労働者こそ被害者であったと過去を断罪して、今後は実利、損得、国益、保護主義に徹することでしかないと叫ぶ。「自由」や「人権」や「平等」や「民主主義」や「国際主義」や「環境」などおよそ近代政治が目指す基本理念は遂に語られることはなかった。これでは世界で最も豊かで最強の国として、少なくとも世界の尊敬と威厳を集めてきたアメリカが今後とも世界のリーダーたるを維持できるのか、自らがその地位を捨てたと宣言するに等しいのではないか、とさえ思わせる。
  トランプ大統領の発言はいずれも大統領選挙中の言動から予測は出来た。しかし選挙演説が終わり公職に入ると、普通は平静と落ち着きを取り戻し側近や識者や議会の意見を容れ、本格的な政策作りに邁進するものである。しかし彼は天真爛漫に発想し、地のままに発言し、それを大統領として現実の政策に結ぼうとする。その蛮勇には敬意を表するが余りに異質のリーダーとして世の中は戸惑い、強い不安と不信に落ち込み、大統領就任に世界中抗議デモが吹き荒れるというのも珍しい。世界の国々はこの国と今後どう新たに接触を始め、どう自国の主張と国益を維持していくかを模索していくことになる。