■ 「仲裁裁判所」、日本がフィリピンに学ぶこと

  フィリピンの動きに啓発されて、私はかねがねわが国の外交にも応用できないかと考えてきた。およそどこの国でも隣接国とは国境問題を抱えている。日中間でも東シナ海での油ガス資源問題は長く紛争の種となってきた。両国様々努力がなされ、協定も作り、協議も続けられるはずであるが、今や中国は海洋法条約上の義務や二国間約束を破り専ら違法な開発を続け、翻ってわが国の国益は日々毀損されている。
  ゆえに自民党は遠くは平成25年12月、近くは本年3月22日に「国際仲裁裁判所への提訴」を党議決定し、政府ならびに安倍首相にも直々に進言してきた。「提訴」と言っても単純ではない、精緻な法律的検討はもとより、外交的検討、最後は高度な政治判断が不可欠である。外務省ら政府内外の事務的専門家との概ねの検討を経て、今は私の元で訴状の原案を創り上げたところで、今後は自民党内、続いて外務省、法務省ら、当然首相官邸も含めて政府の決めるところになる。その壁は、決して容易くない。
  いかに熾烈な国境問題でもまずは外交手段でこそ解決すべきであるが、さらに武力行使や軍事行動はもちろん軽々に使われるべきではない、国際法規に則った司法手続きこそ最後に残された「平和的手段」であることを知らなければならない。
  フィリピンは危険を賭して、国際社会にはいまだ「正義」があることを世界に示してくれた。