■ 「国際仲裁裁判所」への提訴はあるか

  南シナ海の南沙諸島を巡ってフィリピンが中国と争っている。フィリピンは国連海洋法条約に基づく国際仲裁裁判所に訴えたところ、昨年秋に裁判所から司法管轄が認められ、本案審査に進むことになった。ここにはフィリピンが鋭くも粘り強い法律的な工夫をしたあとが見える。
  今日本も東シナ海においてガス資源問題に絡み中国と鋭く対立している。実はフィリピンの裁判手法には大いに学ぶことがあったので、日本政府も仲裁裁判所への訴えを本格的に検討することとなった。その理論的立論は、しかし決して容易くない、実は判例も殆ど無い。実例も無いのでその分野の専門家も見つからない。
  しかし決して日本は諦めるべきではないと私は思う。今回ようやく一応の原案を作り上げたので、外務省、法務省、衆院法制局らの専門家を集めて議論した。基本的には官僚たちは難色を示す、勝てる保証が見えないと懸念する。私は言う、裁判に行く時、勝てる保証などあるはずは無い、勝つためにあらゆる努力をすることだ、勝ち負けは後から付いてくる。フィリ...ピンを見ろ。
  フィリピンの裁判判決は近日中に出される。世界中が、中国も実は、強い関心を持って見守っている。日本にとってもこの裁判の帰趨は極めて重要である。日本は細心の準備を進めて事態に備えなければならない。