2016年

2月

29日

■ 「真に立派な日本人」

  「藤都一臣( ふじと かずおみ)さん」は偉大な市井人である。近所の小学生を集めて野球を指導した。監督としてチームを作り、地元リーグを作り、今ではチームが九州大会、全国大会の常連にまで育てた。毎年6年生の卒業に合わせてチーム卒団式を開く。昼には「愛の100本ノック」で鍛え、夜にはひとりひとりに記念のことばと激励の金メダルを胸に掛けてやり、家族もろとも中学校に送り出す。42年の間に育て送り出した子供は7、800人になる。甲子園やプロで活躍するのもいる。
  自身の生計が楽であろうはずはない。奥さんも裏方で助けてきた。遠征にはいつも同行した。若い母親を率っ張って資金稼ぎにも奔走した。自らリヤカーを引いて野菜の売り歩きもした。
  そして今日、監督は遂に引退された。70代も半ばに差し掛かり、そろそろ休みたいというのが本人の弁、今は中年になった多くの教え子たちに囲まれての引退式は十分に感動的であった。私にはこっそり、(本業の)タクシーだけはまだ週2、3日は乗れますよ、とのことで、余り無理せんで下...さいよ、と私は返したものである。
  藤都さん、私たちは貴方のことをこそ「真に立派な日本人」と呼びます。折しも、貴方のような人がいたから、今度 那珂川町は晴れて「市」に昇格するのです。