■ 天皇皇后両陛下、フィリピンご訪問。リサール記念碑。

  天皇皇后両陛下がフィリピンを訪問された。テレビ、新聞でも懸命に務められるお姿に接すると胸が熱くなる。太平洋戦争末期には日本は米国とフィリピンを巡って激しい戦闘を行った。米国人数十万、日本人50万、フィリピン人はなんと100万人以上、これがこの戦闘の犠牲者という。比較の是非はともかく、日本人の原爆犠牲者が合わせて20万人という時、フィリピンの被った被害がどれほどだったか、察するだに余りある。フィリピンは、しかしそれを赦してくれた、いや赦してくれようとしている、なんと痛々しいまでの温情ではないか。両陛下は慎ましくも真摯な祈りでかの国の人々に揺るぐことのない謝罪と感謝を捧げて頂いた。
  両陛下は英雄「ホセ・リサール」の記念碑にも献花された。リサールは国民を、武力や権力でなくそのペンと言葉の力で、スペインからの独立へ奮い立たせ、そして一人十字架に繋がれ断頭台の露と消えた。その時35歳。フィリピン人はいつの時代もリサール抜きには語れない。
  私は昨夏、フィリピンを訪ねた。所用の合間に偶々リサール記念碑にも立ち寄った。そこで強い感動を受けた。初めての名前であったが、何処の異国にも「建国の父」がいる、というのが率直の印象であった。
  そして今両陛下が参られた。天皇陛下は公式の席でリサールを讃えられたという、「ペンの力で国民を救われた」と。天皇皇后両陛下の今年も恙( つつが) 無きをお祈り致します。