■ ≪ミキモト真珠と湾岸諸国≫意外な出会い

  ドバイを含むペルシャ湾岸の国々はその昔真珠の採取生産で賑わっていました。何千年もの間、真珠の美を発見し世界中に装飾、美術工芸品として広め、それを富の源としたのもアラブ人たちでした。その栄華は20世紀中盤まで続き、大国クェートなどはその収入の95%が真珠ビジネスによるものだったという。
  そこに強敵が現れた。20世紀初頭に優れた養殖真珠が現れて、世界の市場は瞬く間に暴落し、湾岸諸国の( 天然 )真珠採取は崩壊しました。その養殖真珠こそ日本の「御木本(みきもと)幸吉」の開発したものでした。御木本こそ湾岸諸国にとって最も憎むべき人間でした。
  アラブ人たちはそれでも餓死するわけにはいかない、時の指導者たちは懸命に生きる道を探しました。外国人らの指導も受けて遂にこの地域に膨大な石油資源が眠っていることを発見しました。この石油の埋蔵こそ、その後この地が常に世界紛争の火元となり、また現在の富を産み出す源泉となっています。

*******
  「 あの御木本の真珠の養殖がなかったら、今でもこの国は真珠で食っていたでしょう。」「じゃあ今は、御木本や日本人を恨んでいませんね。」「もちろんアラブ人は皆、御木本に感謝しています。何年か前には御木本の孫がこの博物館を正式に訪問してくれました。」
  ( 「アラブ首長国連邦銀行」本店の最上階にある「真珠博物館」にて 、私と管理部長イブラヒム・ソワイダン氏との会話)
  写真は本店の正面、本店の全景とガラスミニチュアです。