■ <無罪判決>産経新聞前支局長、韓国裁判所

  産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が大統領への名誉毀損で起訴されていたソウル中央地方裁判所で、無罪が判決された。そもそもこの事件、発端から不可解であった。産経新聞は2014年8月、客船沈没事件の最中、朴大統領の行方が数時間不明だったと書いた。憶測も含めて報道したが、そのことで大統領の「名誉毀損」に当たるとして検察は在宅ながら起訴した。
  日本の法律でも名誉毀損は判断が難しい。「公人」の場合その保護の度合いが薄いとされており、被疑者が正当な反証をした時には罰せられない(日本刑法 230条の2第3項)となっている。本件韓国大統領の側がしっかりした情報公開をすべきところ結局その不明の時間の説明は行わないまま。
  検察も起訴した以上、有罪判決に向けて徹底して闘う。が、おそらく有罪事実が積み上がらず悩みは深かった。そこで裁判所がうまく結論を出した、いろいろ言うが( 判決読み上げは2時間に及んだという)、要は無罪・・・。
  この無罪判決は日韓両国にとって政治外交面では結果良しとして、私を含めて概ね世の中は歓迎ムードであるが、韓国にとって失ったものは決して小さくない。韓国の政治と司法のあり方に基本的問題があるということ。韓国に真の言論の自由、報道の自由、真実を知る権利はあるのか。大統領が報道で傷ついたのは分かる、が報道の自由の守られた国であればいきなりの権力的抑圧はいけない。その意を受けて警察が動き遂には検察が起訴までしたというのはますます許されない。
  韓国の司法、この場合警察、検察、更に裁判所を指すが、政治外交など権力機構から独立していないことが明らかになった。法の支配、三権分立こそ先進民主主義国の最小の要件であり、とりわけ司法の権力機構からの独立は絶対的要件のはずであるが、この国は未だそれが満たされていないのか。
  なお先月末、私と平沢勝栄代議士の韓国ウルルン島訪問にあたって、定期便が不可解にも欠航したことはこれらと無関係とは思わない。友好国韓国のために敢えて憂う。