■ トルコとロシア、そしてプーチン氏に言いたい

  降って湧いた国際問題。トルコがロシアの戦闘機を撃ち落とした。トルコはその戦闘機がトルコ領内にいたこと、10数回にわたって警告を発したこと、これらの全てをデータとともに公開しその正当性を主張する。一方ロシアは、それを認めない、トルコの撃墜は戦争行為の端緒として、直ちにトルコに抗議、時をおかずに対トルコ全面的経済封鎖に踏み切った。のみならず瞬間的な対抗措置としてトルコの非戦闘機を攻撃し10数人の死傷者を出した。国として正式に謝罪せよとプーチン大統領は最後通告まがいのものも出している。気圧されたか、トルコのエルドアン大統領は弱気の発言を始めており、この先両国関係の帰趨が懸念される。この時こそ米国が仲裁に入るべきなのだが、オバマ大統領は黙( だま )を極め込む。
  思うにロシアはほぼ常に牽強付会( けんきょうふかい)、事実が如何であれ自らの非は決して認めない、強権で自らを守ろうとする。国体、あるいは政治体制のなせる業か。昨年7月ウクライナの上空のマレーシア民間機が撃墜され、調査報告でもロシアがやったことになったがそれも認めない。オリンピックのドーピングが大問題となっているがそれさえ逃げようとする。珍しくロシア民間機の墜落は結局IS(イスラム国)の仕業だと最後に渋々認めた。
  国際社会はむき出しの力関係が支配する。戦争となれば結局強そうなのが勝ちそう、得てして弱そうなのは譲歩を強いられる。しかしおよそ国家はあくまでも事実に基づいた法のルールを主張しそれを国際社会が如何に連帯と良識で支えるか、それしか国際社会の正義を守る方法はない。
  ISという今や最も憎むべき共通の敵を叩くべき時に今更トルコーロシア戦争でもあるまいに、シリアを挟んだ複雑な国際政治があるとしても、結局悦んでいるのはISだけとなってきた。
  ロシアのプーチン氏に敢えて猛省を促したい。