■受注失敗、インドネシアの高速鉄道

  インドネシアでの高速鉄道の建設計画で日本の新幹線が中国に敗れたという。大きな国家プロジェクトであって経済面ばかりでなく政治外交面でも影響は大きい。日本は何年もかけてかの国のために調査し計画を練り準備してきた。近年になって中国が受注競争に入ってきた。そして紆余曲折、結局最後の決め手は受注条件だった。中国は大方丸抱え、インドネシアには殆ど費用負担はさせないという。一方日本は基本は民間協力、経済援助でもローン(借款)が中心、貸し付けたものは当然返済される、それが途上国への「開発融資」というもの。技術的に、管理上、また運行の経験といい、日本の新幹線に比肩するものはない。それでも尚インドネシアにしてみれば、借りる( 融資)より貰った( 贈与 )方がいいというのであろうか。
  ところでインドネシアは今日の経済的発展を日本の援助に負うという歴史を持つ。ODAの総体も米国やその他の国を圧倒的に凌ぐ、だから日本への感謝と親日ぶりは非常に大きいとされる。かの地に行ったことがあるが本当に親日一本槍。受けた恩の倍返しでも決してバチは当たるまい、恩義ある国には当然義理を果たすだろう、私はこの受注合戦でも淡いけれども確かな「人情論」を抱いていた。安倍首相はじめ官民挙げての運動は熾烈を極めた。
  中国の攻勢は凄まじい。殆どタダでやってやるというのを嫌がる人はいない。それはしかし人を育てない、ひたすら国をスポイルし、勤労倫理を崩壊させる( モラル ハザード)。中国はこんな投資条件で本当に大丈夫なのかと下世話な心配までしたくなる。
  このビッグプロジェクトの帰趨は我々にとっても注目に値する。また日本流の「人情論」は国際社会では通じないのか。