■ 「慰霊の標石」、国会広場の片隅に

  広大な空間に荘厳な両翼が広がる。わが国会議事堂。全くの左右対称で左側が衆議院、右側が参議院。参議院側の前庭に森蔭があり、独り伊藤博文公が樹外を見降ろしている。
  そしてしばし足元に変哲もない岩がある。標石というが銘もない。この場所近くに官舎があった。終戦の日そこで阿南陸相は自決した。戦後その陸相を追悼、顕彰するためにこの「慰霊の標石」は設置された。元書記官長迫水久常氏の尽力が大きかったという。当時の参議院事務局は「戦争を指揮した人物」であることを理由に銘文は許さなかった。衆参両事務局、国会図書館、防衛省にも標石設置の資料は一切残されてない。阿南大臣が終戦に向けてどのような役割を果たしたかは、迫水証言に依るしか今は無い。...
  映画「日本でいちばん長い日」で阿南陸相を観たついでに書きました。もう一つ、伊藤博文公の銅像が聳えています。実は6、7年前、樹々は伸び放題、木立の密集で伊藤公は外から見えず探せば分かる程度でした。参議院事務局と難交渉を続け、遂に樹木が整序され今は伊藤公の勇姿が堂々と現われました。私の数少ない自慢話です。