■ 日中首脳会談、開催の予定

  来週にも日中首脳会談が行われることになった。長い間の懸案で外交当局の血のにじむ努力があったことには敬意を表したい。その成功を祈りたい。
  しかし惜しむらくは事前合意書の中で深刻な条件がついた。首脳会談の開催にかけた日本側の努力は凄まじいものがあった。そのことで中国に渡った日本の政治家は70人を下らない。他方中国の側から首脳会談やるべしとの話はおよそ聞いたことがない。向こうからの働きかけは寡聞にして知らない。対等な国が会うというのなら本来両方の意図も背景も同じであるはず。このアンバランス、不均衡は一体何だ。
  頼む(要求する)側の日本と頼まれる側の中国、当然頼む側は手土産を用意するか頼まれる側から条件が出される。日本は一貫して「無条件」を主張したが、中国は尖閣諸島の領有問題と日本の歴史認識、靖国問題を譲れと露骨に条件とした。そして遂に事前合意書では文章で妥協した。中国は、余りに当然に、尖閣諸島問題は正式に棚上げした、首相を靖国には最早行かせないと説明するであろう。日本の当局者は何ら譲ってないと説明する。何ら国益に支障ないと言う。しかし尖閣諸島は無条件で日本のものであり、靖国問題は他国からの干渉などあり得なかったはずだ。何故に中国との間で取り決める、それは言葉使いの問題ではない。
  首脳会談はもちろんあった方がいい。しかしなければ日本だけが一方的に困るのか。日本だけに非があるのか。何故に日本だけが条件を呑む、いや呑まされる。ここは歯を食いしばっても耐えるべきところではなかったか。
  もう決着がついたと言うのならこれ以上は愚痴になる。仮に安倍首相が習近平主席と会うのなら毅然と堂々と対峙して欲しい。主張すべきものは主張する、拒否すべきは拒否する。いささかも悪びれて諂(へつら)うようなことをしてはいけない。国民は4年前日本の菅首相が胡錦濤主席にへつらった横浜での首脳会談を二度とテレビで見たくない。
  今回の合意がこれからの日本外交にとって大きな足かせ、国益を毀損するのではないか、私は密かに懸念する。外交は独り外交官や外務大臣だけのものでなく、全ての国民が固唾を呑んで見守っている。国際社会も、とりわけ韓国も、日本の挙動を凝視していることを忘れてはならない。