■ 北朝鮮がミサイル発射、拉致問題は?

  北朝鮮がこのところ頻繁に日本海向け弾道ミサイルを発射している。射程が短いので我が国に実害はないというが、一体この国は何を考えているのだ。日本と北朝鮮、今や雪解けの兆しで、拉致被害者の帰国の期待が高まり、経済制裁の大方を外すことにもなった。しかし余り気を許さない方がいい、というのが私の意見。
  日朝政府間合意で、拉致被害者の帰国(返還) に向けた本格的調査が始まった。半年、1年掛けて国内の拉致被害者らを調査するという。ただこの国にとって「調査」とは何か。全体国家、警察国家の北朝鮮にとって何をこれ以上調査する必要があるというのか。
  古い話、1999年( 平成13年) 11月、村山元首相をヘッドとする北朝鮮派遣団( いわゆる村山ミッション)があり、私も当時自民党外交部会長の立場でメンバーに加わった。交渉は激しいもので、最後は日朝両国の赤十字組織で拉致被害者、行方不明者の「調査」を徹底的に行うと合意した。しかし直ぐに反故にされた。爾来、4、5度くらいは両国が接近したとき殆ど同種の、「調査する」類いの合意がなされたが、悉く裏切られた。横田めぐみさんの嘘の遺骨事件など記憶に新しい。
  だから私は、この国の「調査する」という約束には強く懐疑的で、また騙されるという危惧を常に持つ。ただ今回の政府間取決めで北朝鮮は殊の外、真剣のような気もする。政府も安倍首相もそれなりに裏付けを持って合意に乗った。大いなる賭け、とも言われている。後は良い結果を期待するしかない。