■ 東京「国立競技場」

  東京の「国立競技場」が取り壊されるという。すでに十分古くなったこと、さらに2020年東京オリンピックのメイン会場となるため。テレビには競技場での歴史的場面が何度も映される。歓声とどよめきと、勝利の雄叫びと、また敗戦のため息と。
  私にとっては、やはりあの東京オリンピックの入場式だ。大学1年の秋、昭和39年10月10日、私はそこにいた。私は学生スタッフ(アルバイト)として場内整理を手伝っていた。入場行進が延々と続く、全ての最後にあの聖火台に火が灯った。奇跡的にも真っ青な、本当に雲ひとつない青空に、いきなり飛行機が飛んで来て大きな5つの輪が出来上がった。全ての人々が天空を見上げ大会場は拍手と感動に包まれた・・・
  かくして全てのものが歴史の彼方に消えていく。次への新しい出発でもある。