■ 映画「永遠のゼロ」

 話題の映画「永遠のゼロ」を見た。太平洋戦争に出征した「宮部久蔵」は優秀な海軍パイロットであった。人一倍家族思いで、家には妻と幼子を残していた。死なずに必ず生きて帰る、との思いが強く、一身を天皇と国家に捧げるとする軍幹部に睨まれ、同僚からは弱虫、臆病の侮りを受けた。一方でゼロ戦闘機のパイロットとして米軍相手の空中戦では数々武勲を立て、隊内での人望も高かった。昭和20年、日本は敗色濃く遂には「特攻」という破滅的な戦術を選ぶに至った。宮部はその特攻隊を志願した。遂に出撃の日、乗った機体にエンジンの故障が見つかった。あろうことか宮部は隣にいた親友の佐伯某に機体の交換を申し入れた。そして宮部は、取り替えたゼロ機と共に飛び上がり、帰らぬ人となった。佐伯は結局不時着した。
 戦争は終わり、生き残ったものは祖国へ戻った。妻子のためあれほど生きて帰ると決意した宮部が何故、特攻を志願し、機体を交換してまで死地を目指したのか。もちろん誰にも分からない。
 宮部はパイロット指導教官として多くの若者を特攻に送った。また死ぬはずの若者も多く救い、国賊並みの非難と誹(そし)りを受けた。滅私奉公の軍紀律を遂に守り抜くには、自分が生きて帰るわけにはいかない。それは宮部の美学でもあり、余りにも哀しい軍国日本の掟だった。
 佐伯は復員後、宮部の妻と娘を訪ね世話を重ね、遂にはその妻を娶った。これこそ、あるいは南洋に散った宮部が悲しくも最後に望んでいたことだったかも知れない。

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コメント: 2
  • #1

    塚田 (木曜日, 23 1月 2014 12:25)

    私も本作品を観賞しました。
    巷で言われているような戦争賛美の作品でも何でもなく、戦争下における人間ドラマとして描かれていたと思います。
    宮部は最初は臆病者と罵られようと家族のために自分が生きて帰ることを第一としていましたが、自分が生き残ることで替わりに若い教え子が死んで行くことに苦悩し、家族を託せる佐伯に出逢うことで特攻の決心をしたのだと、涙が止まりませんでした。
    三浦春馬演じる孫がそうであったようにあらためて背筋を伸ばして生きる必要があるな、と痛感した次第です。

  • #2

    烏龍茶 (月曜日, 10 2月 2014 15:50)

    私も観て来ました。
    投稿者 塚田氏のご指摘のように戦争を知らない
    世代がもっと活躍すべきですね。

    靖国神社へ安倍首相が参拝したことを批判
    する諸外国にこの映画を観てもらいたい。
    靖国神社へ近々行く予定です。

    原田義昭氏、投稿者の塚田氏、そして日本を
    愛するみんなで参拝に行きましょう!