■ 靖国神社、米国は本質を間違うな。我が国も「外に向かって発言せよ、行動せよ」

  安倍首相の靖国神社参拝を中国や韓国が騒ぐのは驚くに当たらない。いつものことで、彼らはひたすら外交戦術でやっているだけである。一体何が不満で、一体自国民のどこが傷ついているのか。何億の国民にとってよその国の首相がどこに参ろうとそれを心配するほど暇でない、要は政府が国民の名を騙って騒いでいるだけで、外交的に日本を叩くに都合がいいからだ。中韓が日本の悪行として詰(なじ)れば、日本は気兼ねして弁解し、我が身を徒に抑制してきた。この悪しき循環こそ日本外交の優柔不断さ責任がある。安倍首相は靖国参拝で「不戦の誓い」をするとの公約を実行した。日本の指導者として日本人の英霊に手を合わせるのは当たり前のことで、アメリカの大統領が皆アーリントン墓地に行くのと同じ、どこの国でも同じことをする。
  靖国神社には戦後歴代の首相で都合...60回参拝しており、いわゆる「A級戦犯」の合祀が明らかになった79年以降でも21回を数える。そして85年秋ごろ中国が内政事情から靖国問題が「日本叩き」の有効な外交カードとして思いついたのが問題の発端である。
  ところで今回の靖国参拝問題で過去に無かったこと、それは初めて米国が関心を示し、あろうことか我が国にそれを止めてほしいとのコメント(disappointed)を出した。米国となれば無視はできない。米国は多分、全く靖国神社の本質的な意味付けを分かっていない。今や靖国参拝が東アジア諸国間で紛争の種になっているようだ、ならば参拝を止めればいいではないか(たかが参拝くらい、賢明な日本人がわからないはずはない、と言ったかどうか?)。中国を怒らせてどうなる、というのが米国の言い分であろう。我が国は同盟国米国に丁寧に説明することが勿論必要である。
  米国が本当に日中関係に踏み込むのなら、何故国際法上も歴史的にも尖閣諸島の日本領主張を毅然として続けない。11月23日に突如として尖閣を含む防空識別圏を指定したことにその撤回を求め続けない。法を無視し、軍事力を背景に周辺諸国を脅威させる中国の膨張主義にその非を糾(ただ)せるのは結局米国しかない。米国が沈黙していることは中国を無用に増長させる要因にもなる。
  国力とは軍事を含む政治、経済、社会、文化など、その国民の総合力の総和である。そして外交とは外国と如何に関わるかであって、これは国の主張の「広報、宣伝」とも言い換えられる。靖国問題で中国はひたすら諸外国に訴えてきた。日本の靖国参拝がアジア諸国を困らせていると執拗に米国に伝えてきた。それが今回米国のコメントとなった。中国は今韓国とはもちろん、米露欧州など広く第三国にも日本の悪行として訴えている。米国には韓国の慰安婦像が幾つも作られている。これらは全て第三国への広報、宣伝の成果である。然らば我が国も自らの正しさと道義について広報宣伝を、国際社会に向けて強力に行うべきである。質量ともに弱いのが今の日本であり、そのまま外交の弱さとなっている。いわば「言われっ放し」の状態。私はいつも国会で発言しているのは、「国内で如何に精緻な議論をしても意味がない、外に向かって発言せよ、行動せよ」ということ。内向き行動、「内弁慶」だけでは結局、主権も国土も国益も、そして国民の誇りも守れない。
因みに、アジアの他の国で靖国参拝を非難するところはどこもない