■ イチロー選手のこと

 NHK特番「プロフェッショナル」にイチロー選手が出た。世界記録の4000本安打を打っても、いや残りの8000本は三振か凡打だったと平然と笑う。4000本安打の10日後、今度は先発せず、あろうことか勝ちの決まった後、代打に出された。新人代打のすぐ後に。しかも凡退。終生忘れぬ屈辱であった。

 しかし自分の人生は、まさに屈辱と失敗の連続であって、それが今日の自分を作り上げた。野球に完成形はない、もっともっととより高みを目指す。自分は未だ発展途上。「イチローの試合の日の準備姿勢は求道僧のそれと同じ、全く同じものを食べ、6時15分きっかりに練習場に現れ、全く同数の素振りを行い、きっかりに練習場を出る。絶対に妥協を許さない。」とトレーナーは言う。「今年のヤンキース最終戦、最早消化試合。ベテラン選手は皆スパイクも履いてない。ひとりイチローのみ万全の態勢で、延長14回に来た時には黙々と練習場で素振りを続けていた。これがイチローさんの全てです。」と側近通訳氏。なんと凄くも誇らしい同胞を、アメリカまで送ったものか。