■ 『舟を編む』を読んで

 海外出張で長旅の時は、何冊か本を持って行く。「舟を編む」という本、三浦しをん著。題名が不可解だったので、つい書店で手に取った。国語辞書を編集するというおよそ地味な物語。(架空の)書『大渡海』を編集するには大いなる苦難が伴う。この社会は言葉の海が横たわっている。「その海を渡るに相応しい舟を編む」(本先生)ことが目指す目標である。『広辞苑』も『大辞林』も『大言海』も本気に超えようとする。馬締(まじめ、と呼ぶ)という男や仲間たちはひたすら真面目に、ただ地味にそれに取り組む。絶対の精確さと権威を保ち、万に一つの誤字脱字も許されない。会社からは何度もリストラの話も来る。そして実に15年を経て出来上がった。しかし松本先生の死に目には遂に間に合わなかった。松本先生の遺書が見つかり「・・・言葉という宝をたたえた大海原をゆく姿がまざまざと見えます。・・・不可能と思ったこの大仕事を馬締さんが名し遂げてくれた・・・」とあった。
 辞書という編纂がいかに大変なものか、そもそも言葉というものを究極にまで大切にしている人がいるということ、そして辞書の出版はその出版社にとっては隠れたるドル箱で、何よりその出版社の権威と名声を確定する。

 この本は2012年「本屋大賞第一位」に輝いた。本屋に働く人々こそが、言葉の持つ本当の意味とその陰の苦労を一番身近に持っているのでしょう。

 

 

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コメント: 1
  • #1

    俺の名を言ってみろ (金曜日, 06 9月 2013 23:39)

    日本の蛮行が世界中の食卓を脅かしているにもかかわらず、日本政府がオリンピック招致にのみ血眼になって放射能の問題を誤魔化そうとしている、日本は放射能汚染水の流出について迅速かつ正確な情報を提供すべきだbyセヌリ党キム・ギヒョン政策委議長