■ スノーデン事件とアメリカ情報失策

 スノーデン事件とは何か。米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデンは、米国家安全保障局(NSA)が中国のサイバー攻撃などに向けて組織的な情報収集をしていたと暴露したため、国家機密の漏洩などスパイ罪で訴追されている。さらにNSAは日本を含む主要国の大使館などから外交や個人情報を盗聴していたことも判明した。国家にとってサイバー攻撃やテロ防止目的の情報収集はむしろやらなければならない情報活動だが、他方外交や個人情報の収集は通常の情報活動を超えて国際的な非難の対象となる。アメリカはとりわけ中国のサイバー攻撃などに外交攻勢を掛けていたが、ばつが悪く最早他国のことは非難できなくなった。

 スノーデンは一番都合の悪いその中国に逃げ込んだ。中国はもちろん引き渡しに応じず身柄をロシアに送った。今の国際社会でこの程度の情報合戦は実は当たり前なのだが、その尻尾を捕まえられたことはアメリカの安全保障にとっては癒し難い大チョンボである。スノーデンがどこに亡命しようと、遂には逮捕しようと、最早大した意味はない。