■「議員定数」は本当に人口基準だけか

 衆議院選挙区画定審議会からいわゆる「0増5減」による選挙区割り案が出された。殆ど機械的な人口比例であって、良いも悪いもない、あとは法律に書き込むだけであるが、国会審議は揉めるという。先日の裁判所の違憲・無効判決など、このところ議員定数、選挙制度改革問題が賑やかしい。選挙専門家といわれる細田博之議員(自民)とは親しいが、結構大変そうだ。いずれ国会としてもきちっと結果を出す。

 1票の価値は勿論平等を目指さなければならない。ただその「平等」は本当に人口比だけで良いのか、私はかねがね疑問を持っている。実は同意見の人も多いのだが余り声にならない。これからの日本は、人口減と少子高齢化の中で間違いなく過疎化と都市化が進む。人口は地方から都市に移動する。然らば議員の定数も地方から都市にシフトし、都市の議員は更に増え、地方の議員はいよいよ減ってくる。しかし国のあり方として国土の均衡ある発展や地方分権の推進を目指すなら地方にこそ国家的な力点を置くべきであって、社会的インフラ(基盤)が相対的に飽和している都市部に定数の増は必要かとなる。これらの国家的な視点、さらには選挙区の面積や社会的特性を欠いたまま、ただ人口基準だけの判断で議員定数を議論する事には大いに懸念が存在する。憲法14条のいう「法の下の平等」とはまさに全ての国民の「実質的」な平等を図ることであって、裁判所(司法)こそその点を考慮して然るべきと考えるのだが。