■ TPP動く

TPP(環太平洋経済連携協定)問題が動き始めた。安倍首相が日米首脳会談でオバマ大統領と会談したあと、TPP交渉参加に前向きの発言に及んだ。「聖域なき関税撤廃なら交渉には参加せず」というのが政府の基本姿勢であったが、首脳会談の結果、聖域(=例外)は十分に確保できる、日本の繊細(センシティブ)品目については関税撤廃のから十分守ることが出来ることで、首相としては交渉に参加するも国民に理解されると判断した。

ことはそれほど単純ではない。TPPには農業問題のほか、医療保険、金融、流通、様々な分野で従来の国内制度を構造的に大変革させる要素が含まれており、国際経済の開放自由化の有用性は否定せずとも、そのまま国内制度と調整できるかは極めて困難である。急激な自由化が国内制度の混乱や国民生活の困窮を招いた例は枚挙に暇ない。

私は断固反対につき選挙でも地元と約束してきたし、地方経済を混乱させ、地方社会を崩壊させる、ひいては国の基盤をも損なわせることを心から恐れている。

 安倍政権は強気である。交渉には参加して、その中でしっかり国益は確保する、もしうまくいかなければ締結しない、と割り切っている。外交交渉は確かに政府の専権事項であるが、しかし、その政府・内閣は国会の上に成り立っているということを忘れてはならない。