『預金通帳よりも現金で』

Q.

 身内が少しお金持ちで銀行預金を持っていますが、お前にやるからと約束しながら突然亡くなりました。通帳と印鑑を持って銀行に行ったら難しい手続きのことを言われ、なかなか現金はおろせません。どうしたらいいのでしょうか。

A.

 預金の贈与を受けたからといってぬか喜びしてはいけません。人が死ねば全て相続財産となり、相続財産の分配については民法上厳しい規則があります。預金者死亡の支払いでは銀行は法定相続人であり、かつ他に権利者がいないことを証明する必要があり、遺言書や書き物(契約書)を見せたところでまず納得しません。

 もし自分が法定の権利者でない時は、裁判所から「相続財産管理人」を選任してもらい、その人相手に訴訟をして譲渡人との約束を認証(ハンコ)してもらい、その書面をもって銀行に支払いを請求する…多大な費用、労力と1年以上の時間がかかることもあります。

 本音をいえば、お年寄りには預貯金や証券でなく現金の形で頂く方が残された者にとっては非常に有難いというのが、弁護士としての率直な感想です。