ある弁護士曰く

先日、ある地方裁判所の支部(①)で民事訴訟の期日(②)があって、原告の訴訟代理人として出頭してきました。結構遠くて、その裁判所まで片道3時間半かかったのですが、期日は23分で終わって(③)日帰りできました。

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① 日本には、地方裁判所が全国に50か所あります。都府県に1つずつと、北海道に4つです。

  しかし、これだけで各都道府県の訴訟事件を受け持つのは不可能ですから、各地方裁判所(本庁)には支部が置かれています。

 

 

例えば、東京都には霞が関にある東京地裁本庁(23区や島嶼部の事件を扱う)のほかに立川市に立川支部(多摩地域の事件を扱う)があり、福岡県には、福岡市に福岡地裁本庁があるほか、久留米・小倉・飯塚など9市に支部があります。ちなみに、栃木県の本庁は宇都宮地裁で、栃木市には宇都宮地裁の栃木支部があり、また、沖縄県の本庁は那覇地裁で、沖縄市には那覇地裁の沖縄支部があります。

 

これらの支部を合計すると203か所あります。

 

 

② ある民事事件が裁判所で訴訟等として争われているときに、裁判所が当事者の主張を聞いたり証拠を取り調べたりする機会を期日といいます。この期日は裁判所で開かれますので、当事者やその代理人は原則その日のその時間に裁判所に行かなければなりません。

 

 

民事訴訟を審理する裁判所は、被告となる人の住所地などによって決まり、必ずしも当事者が自由に選べるものではありません。そのため、弁護士が自分の事務所から遠く離れた裁判所に代理人として出頭することもしばしばあり、これは珍しいことではありません。

 

 

③ もっとも、地元であろうが遠方の裁判所であろうが、民事訴訟の期日では、当事者の一方からその主張を書いた書面や証拠書類が提出されたことと、次は他方が反論の書面や証拠を提出する番であることが確認されて、あとは次回期日を決めてその日の手続が終わる、ということも少なくありません。

 

 

特に第1回の期日は、被告は事前にその主張を一応記載した答弁書を提出していれば欠席しても終結せず次回期日に続きますので、原告代理人として片道3時間半かけて出頭しても、被告側の出頭すらないままあっという間に期日が終わることも多いのです。

 

 

 

弁護士にとって、裁判所まで片道3時間半かけて出頭した期日が23分で終わり、その日のうちにとんぼ返りで地元に戻る、ということは、大げさでなくしばしばあることなのですが、それが大変だと思うかは人それぞれです。

 

以 上