裁判を欠席すると?

  

Q.

 

 私のところに突然、地方裁判所から、「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」という5月23日付の書類が送られてきました

 

 その書類には、「原告から訴状が提出されました。当裁判所に出頭する期日が下記のとおり定められましたので、同期日に出頭してください。なお、訴状を送達しますので、下記答弁書提出期限までに答弁書を提出してください。」と書かれています。

 

 ①期日は「6月30日(木)午後2時30分」とあるのですが、その日のその時間帯は仕事のため出頭できません。

 

 また、②訴状が同封されていましたが、訴状に書いてある内容は身に覚えのない言いがかりのようなものです。それでも答弁書を提出するなどの対応をしなければならないのでしょうか。

 

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A.

 

① 第1回の口頭弁論期日つまり6月30日(木)午後2時30分には、必ずしも出頭する必要はありません。

 

ただし、原告と争う姿勢を示す「答弁書」をあらかじめ提出しておくことが不可欠です。答弁書とは、原告の訴状に対するあなた(被告)のスタンス(認めるかどうか)を裁判所に示す書面ですが、突然送られてきた訴状に対して第1回期日までの間にあなたのスタンスを詳しく記載することは難しいでしょうし、検討が十分でないまま詳細な内容まで記載して提出することは危険です。

 

そこで、答弁書には、「原告の請求を棄却する…との判決を求める。」というように、原告と争うスタンスであることを最低限記載し、それ以上の詳細な内容は後日追加して行えば足ります。焦る必要はありません。

 

この答弁書を郵送やファックスであらかじめ提出しておくと、第1回期日に限り、欠席しても、あなたが答弁書に記載した内容を法廷で述べた、つまり争うスタンスを示したとみなされます。

 

ですので、この答弁書を提出しておけば、期日を欠席して予定どおり仕事に行くことができます。ただし、2回目の期日からは、このような方法は使うことができず、裁判所に出頭しなければなりません。

 

 

② 以上のようにして第1回の期日は欠席し、仕事に穴をあけずに済んでも、身に覚えがなく言いがかりのように訴えられただけなのに、わざわざそのような対応をしなければならないのか、というご不満もあろうかと拝察します。

 

しかし、裁判所としても、突然、原告から提出された訴状を受け取るのですから(裁判所は常にそうです)、原告から提出された訴状や証拠を見ただけでは、原告が訴状に記載した内容が本当のことなのかどうか、まったく判断がつきません。言いがかりかもしれませんし、本当のことかもしれません。

 

そこで、裁判所は、原告と被告の双方の言い分を十分に聞き、提出された証拠を吟味したうえで、訴状に記載された内容が本当なのかについて結論を出します。これが民事裁判の仕組みです。 

 

このように、裁判所は被告の言い分も聞きたいのですが、にもかかわらず、被告がその言い分を何も裁判所に伝えないまま期日に欠席すると、裁判所は、被告は言い分がないからそのような対応をしたのだ、つまり、被告は原告の主張する内容を争わないのだと見て、原告の請求を認容することになります。

 

言いがかりなら言いがかりであることを裁判所にきちんと伝える必要があるのです。

 

 

 

以 上