「表見代理とは」

Q.

 妻が私に内緒で金融業者からお金を借りていました。しかも、私の名前を無断で連帯保証人の欄に書き押印していました。本人が押印・サインをしていないから無効だと思いますが(27歳男性)

A.

 妻は「日常家事」に関し夫を代理する権限(民761条)がありますが、その代理の範囲を無断で超えた行為でも夫婦だから支払いを請求できる、と業者は主張するでしょう。


 一定の代理権がある場合、その範囲を超えたときでも契約の相手方を保護する社会的必要性もあり、それを「表見代理」(109条)と規定しています。


 保護に値するのはその代理権がまだ存在すると信ずる「正当な理由」があるか(110条)、代理権を超えたことを過失なく知らない場合などです。本件、妻が金融業者と契約するなどは「日常家事」とは言えず、業者は夫を連帯保証人とするのなら夫の意思確認くらいしておくべきであって、それを怠れば表見代理は成立せず、支払う必要はないということになります。


 夫婦の意思疎通こそ大事です。