「弁護士費用補償特約」~万一の交通事故に備えて~

 

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 交通事故に遭って傷害を負ってしまったのですが、相手方の保険会社から提示された示談金額に納得いきません。そうしたなか、先日、自分の自動車保険に「弁護士費用補償特約」が付いていることに気が付いたのですが、これはどのような内容なのですか?

 

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 交通事故をめぐる示談交渉では、金額が低すぎるとしてトラブルになるケースがよくあります。

 トラブルの原因は様々でしょうが、確かに、弁護士からみると、示談金額が低いと感じることも多々あります。というのも、保険会社と弁護士(裁判所)では、損害額の算定基準が異なっており、弁護士基準に基づくと保険会社の基準よりも2~3倍以上も損害額が高く算定されるケースもあるからです。

 

 弁護士が代理人となることで、弁護士基準に依拠した損害の回復を図ることができ、より大きな金額の支払いを受けることが可能となります。また、弁護士に依頼した場合、事故直後より始まる加害者やその保険会社との面倒な交渉から最後の訴訟に至るまでの一切を、すべて弁護士に任せることができるというメリットもあります。

 

  とはいえ、弁護士に依頼するとしても、弁護士費用が心配だという人も多いのではないでしょうか。実は、そのときに強い味方となるのが「弁護士費用補償特約」(以下、「弁護士特約」といいます。)なのです。その内容や特徴は次のとおりです。

 

  ①法律相談料として10万円、弁護士費用として300万円まで補償される

   弁護士費用が300万円を超えるのは、後遺障害を残す大きな事故の中でも約2割にすぎません。そのため、大部分はこの特約から弁護士費用の全てをカバーできます。

  ②自分の保険に弁護士特約が付いていなくても大丈夫

   弁護士特約は、契約者本人以外にも、その配偶者や同居の親族、別居の未婚の子も利用可能です。ご自身が保険に加入していなくても諦めてはいけません。

  ③保険の等級が下がったり、翌年の保険料が上がることはありません

   弁護士特約を利用したからといって、等級が下がったり、翌年の保険料が上がることはないので、ご安心ください。

  ④本人が弁護士を選べる

   保険会社指定の弁護士でないと特約を利用できないと説明されるケースがあるようですが、これは誤りです。同様に、本人に過失があると利用できないと説明されるケースもあるようですが、そのようなことはありません。

 

   このように、弁護士特約がついているのであれば、これを利用しない手はありません。しかし、現状、弁護士特約の認知度は低く、全国の総世帯数の約3割にこの特約が付いているといわれているのに、実際の利用率はわずか0.05%程度にとどまっています。まずは、ご自身の加入している保険契約をみて、弁護士特約の有無及びその内容を確認することが大切です(保険会社によって弁護士特約の内容が若干異なります)。また、年間1500円程度の保険料で付帯できるので、現在加入していない方はぜひご検討ください。

 

   なお、事故当時に弁護士特約がない場合には、ご自身で弁護士費用を支払う必要があります。しかし、その場合でも、弁護士基準に基づく高い金額の支払いを受けることが可能となるので、いずれにしても一度弁護士に相談されることをおすすめします。