Q.

 弁護士が「業務停止」という懲戒の処分を受けたというニュースを見ましたが、弁護士の懲戒とは何ですか?

 ------------------------------------------------------------------------------------------

A.

 弁護士や弁護士法人(以下「弁護士等」)は、弁護士法に違反したとき、所属する弁護士会(※弁護士等になるには全国各地にある弁護士会のどれかに入会しなければなりません)や日本弁護士連合会(以下「日弁連」)の会則に違反したとき、所属弁護士会の秩序や信用を害したとき、その他職務の内外を問わず弁護士等としての品位を失うべき非行を行ったときに、懲戒を受けます。

 

懲戒には、軽いほうから戒告・2年以内の業務停止・退会命令・除名の4種類がありますが、ある弁護士等を懲戒するかどうか、懲戒する場合に4種類のうちどの懲戒を選択するかは、その弁護士等が所属する弁護士会と日弁連が判断します。

これは、医師に対しては厚生労働大臣が、税理士に対しては財務大臣がそれぞれ処分を行うのと異なります。弁護士等に対する懲戒権限は、国家機関ではなく弁護士会・日弁連が持っているのです。

 

もっとも、だからといって懲戒について弁護士のみで判断しているわけではありません。懲戒に関しては、弁護士会の内部に綱紀委員会(事案の調査を行う。検察に相当)と懲戒委員会(事案の審査をして懲戒すべきか等を判断。裁判所に相当)が置かれていますが、綱紀委員会も懲戒委員会も、弁護士だけでなく、裁判官、検察官、その他の学識経験者の外部委員がメンバーになっています。そして、懲戒委員会が懲戒することが相当だと判断したときは、弁護士会は弁護士等を懲戒しなければなりません。

 

ご質問にある業務停止の場合、停止期間中は、弁護士等としての業務を行うことが一切できません。新たに法律相談や法律事務の委任を受けてはならないことはもちろん、既にある委任契約や顧問契約もすべて解除しなければなりません。

外観も、法律事務所の表札や看板等をすべて外さなければなりませんし、もし広告を出している場合には取り止めなければなりません。

 

ちなみに、除名の場合は、弁護士等でなくなるだけでなく弁護士となる資格も失います。これに対して、退会命令では、所属する弁護士会から退会となるため弁護士等ではなくなるものの、弁護士となる資格は失わないので、もし幸運にも他の弁護士会に入会を申請して許可されるということがあれば、弁護士等の業務を行うことができます。

 

以上