「宥恕(ゆうじょ)」の意味について。

 

 

 期せずして犯罪に巻き込まれ被害者となったとき、加害者本人や加害者の弁護人や代理人から、示談をしてくれないかという提案を受けることがあります。

 

 そして、あなたが示談をしてもよいと応えると、加害者本人や加害者の弁護人、代理人から「示談書」等と書かれた書面が送られてくることになります。

 

 この「示談書」に、あなたと加害者本人か、その弁護人または代理人が署名すると、「示談書」は、検察庁、裁判所に資料や証拠として提出され、加害者の処分や裁判の結果に影響を及ぼすことになります。

 

「示談書」には、加害者が被害者に対して支払う金額(通常、「示談金」や「被害弁償金」という名目になっています。)等が書かれていますが、特に注意していただきたい場合の1つとして「宥恕の意思」という項目が記載されている場合です。

 

「宥恕(ゆうじょ)」とは、寛大な心で許すこと、見逃すことを意味します。

 

 つまり、「宥恕の意思」という項目が示談書に記載されており、それに署名をすると、あなたが「加害者を寛大な心で許す」という意思を示したことになり、刑事処分・裁判において、加害者にとって有利な資料、証拠となります。

 

 しかし、「宥恕」という言葉は馴染みがないので、意味を正確には知らずに示談書に署名をしてしまったというご相談を受けることもあります。

 

 示談書に署名をして後に、この「宥恕の意思」があなたの真意ではないことを主張する方法がないわけではありませんが、まずは、ご自身の意に反した示談をしないように「宥恕」という文言や、自分では意味が分かりにくい内容の文が含まれていた場合には、しっかりと相手に確認するといった少しの余裕を持てるとよいと思います。

 

 送られてきた書面を持って、法律相談に行くのもよい手段だと思います。

 

 

 示談の段階で、再び不快な思いをしないよう、ぜひ法律相談の場を活用してください。