契約と契約書について

Q.

 

 契約をするときには,契約書を作成しないといけないのですか。

 

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A. 

 

1 契約は,当事者双方の合意があれば,原則として,契約書がなくても有効に成立します。

 

  たとえば,ある物をいくらで「売ります」「買います」という合意があれば売買契約(民法555条)が成立しますし,ある物をいくらで「貸します」「借ります」という合意があれば賃貸借契約(同法601条)が成立します。

 

2 もっとも,例外的に,契約が成立するためには書面を作成しなければならない場合があります。

 

  たとえば,保証契約を締結するには,契約書を作成する必要がありますし,同法446条2項),農地の賃貸借契約(農地法21条),任意後見契約(任意後見契約に関する法律3条)を締結する場合も契約書を作成する必要があります(任意後見契約については公正証書が必要)。

 

3 このように,契約は,合意があれば契約書がなくても有効に成立しますが,契約をめぐって後にトラブルが起こったときのために,重要な契約については契約書を作成しておくことをお勧めします。

 

 たとえば,

 ①そもそもそのような契約はしていないとか,契約はしたがそのような内容は約束していないといったトラブルが生じたときに,契約書があると,契約をしたことや,契約書の中でそういう約束をしたことの証拠となります。

 

 また,

 ②お金をいくら返す(金額),現金を手渡しで返す,振込みで返す(方法),どういう建物を建てる(目的物)など,契約においてどのような約束をしたかが,契約書を見れば一目瞭然です。

 

 さらに,

 ③契約当事者の双方が契約書の内容を確認し,自分で名前を書いて印鑑を押すという一連のやりとりが,契約をする意思を確認する大事な機会といえます。

 

4 このように,契約当事者間で後日紛争が起きないように,起きても証拠になるように,できる限り契約書を作成することをお勧めします。

 

  また,契約書をしっかりと作成することは難しい場合も多いので,専門家である弁護士にご相談いただくと安心です。