「保証の話」


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  「保証人には絶対になるな」とよく言われます。「保証」というと、借金をするときの保証や、家を借りるときの保証、就職をするときの保証(身元保証)などがまず思い浮かぶと思います。ご親族やご友人からこれらの保証人になることを頼まれたことがあるかもしれません。

 

これらの場面では、お金を貸す側や家主、雇い主(この方たちを以下まとめて「債権者」といいます。)からすると、お金を返してもらえないとか、家賃を支払ってもらえない、あるいは、雇った人に仕事上で損害を出されてしまったが本人がそれを賠償しない、といったリスクがあります。

 

そこで、あらかじめ保証人を付けて、そのリスクが現実のものとなったときに、本人(「主債務者」といいます。)の代わりに保証人から債務の履行(支払)を受けられるよう備えておく。

これが保証であり、保証人は、主債務者が負う債務を主債務者の代わりに履行(支払)をすることを、債権者と合意(契約)しているのです。主債務者と合意するのではないことに注意してください。

 

  そして、実際の保証人の多くは「連帯保証人」です。連帯保証人は、主債務者が請求を受けていなくても、あるいは主債務者に執行容易な財産があっても、債権者から支払を請求されれば、これに応じなければなりません。

 

  しかも、いったん保証人になってしまうと、保証人でなくなることは極めて困難です。債権者との合意(保証契約)によって保証人になるのですから、保証人でなくなるためには、基本的には、債権者との合意によって保証契約を解除するしかありません。

 

  しかし、債権者がせっかく結んだ保証契約の解除に応じることは考えにくいところです。

以上のことからすれば、安易に保証人になることは絶対にしてはいけません。

 

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  なお、保証契約は、書面(保証契約書)で契約しなければ成立しません(ただし平成17年4月1日以降)。つまり、口約束(口頭の合意)をしただけでは保証人にはなりませんから、保証契約書に署名や押印をすることには特に慎重になる必要があります。

 

3 また、中小企業が金融機関から融資を受ける際にも、経営者個人が連帯保証をするのが一般的です。しかし、中小企業庁が、今年2月に「経営者保証に関するガイドライン」を発表してその適用を開始し、5月には「中小企業再生支援協議会等の支援による経営者保証に関するガイドラインに基づく保証債務の整理手順」を策定・発表しました。

 

  そして、その後、経営者個人の連帯保証が外れた例が複数出ています。とはいえ、金融機関の姿勢はまだまだ非常に固く、連帯保証を外すことはそう簡単ではないようですが、1つの知識として知っておいてください。

以 上